国立t歯科

マイクロスコープの根管治療とは

今日は「マイクロスコープによる根管治療」について説明していこうと思います。

まずは、根管治療についてです。

歯には神経(歯髄)があるのは知っている方が多いかと思います。根管というのは歯の神経が入っている根っこの部分の空間のことを言います。

一般的には1つの根っこに1〜2つの根菅があることが一般的です。

その根管が何かしらの原因で感染を起こしてしまい、根の先端部に感染が波及すると「根尖性歯周炎」と呼ばれる状態になります。

よく虫歯を放置してしまい、歯茎が腫れたり、違和感があるという状態です。

この根尖性歯周炎の原因が根管の感染によるものの場合に「根管治療」を行い、根管内を清潔にすることにより、感染を抑えることが治療の流れになります。

この「根管治療」に「マイクロスコープ」を使うとどうなるでしょうか。

実際に写真で治療の流れを見てみましょう。

この歯には3つの根っこがあり、それぞれに1つずつ根管が存在します。(矢印部)

拡大率としてはまだ低倍率で見ていますが、この時点でも小さい歯がだいぶ大きく見えます。

次に根っこの長さを測っていきます。この際、通常の診療では専用の機器やレントゲンを用いて根の長さを測ります。

この根の長さから約1〜1.5mm引いた長さを綺麗にしていく根の長さ(作業長)として設定します。

続いて、根管の中の汚れた部分を少しづつ取り除いていきます。これを「拡大形成」といいます。

この拡大形成は、針金みたいな器具(リーマー)を使い行なっていきますが、通常「手用」で行います。この拡大形成をドクターの手で行うととても時間がかかりますし、正直我々の手もとても疲れます。

そこで当院では専用の機器を使うことにより、時間の短縮を図っています。

その動画です。

 

一つの根管の拡大形成にかかる時間はおおよそ5〜10分でした。

当然根管の形態などにより、時間は変わりますが時間が短縮できるのは患者さんにとってもドクターにとってもメリットになります。

ここまで来たらあとは「根管充填」という処置になりますが、その前にマイクロスコープで見ると「ん?」と

下の矢印の部分にもう一つ穴が、、、

もう一度最初の写真を見て見ると

確かに怪しい、、、

この隠れた根管を「副根管」といいます。通常はないのですが、歯によっては40パーセントの歯に存在すると言われています。

しかし、こんなに小さいもの普通では見落としてしまいますよね。

通常の裸眼ではまず見えないでしょう。しかし、マイクロスコープを覗くと見えてしまうんですね

この副根管を見落とすかしっかり治療できるかは歯の予後に大きく関わってきます。

今回の歯は実は完全な副根管ではなく、途中から主根管に繋がっていました。

このように歯の詳細な箇所にまで適切に処置をする必要が歯科にはあります。

詳細な処置にはまず、見えなくてはいけません。それを見えるようにしてくれるのが「マイクロスコープ」なんですね。

当院では根管治療のみならず、修復治療や技工においても顕微鏡を積極的に使用しています。

国立市で根管治療を受診したい方、マイクロスコープ治療に興味のある方、是非一度当院にいらしてください。

スタッフ一同お待ちしております。