顎が小さいことで起こる凸凹歯並びの歯科矯正(8歳小学生)
「顎が小さくて歯並びが凸凹になってしまった。」8歳女児(非抜歯)
治療前(8歳)
小児矯正終了時(9歳)
永久歯列期(12歳)
「顎が小さいようで永久歯が真っ直ぐきれいに はえるスペースが不足しているようです。これからまた永久歯がはえると もっと凸凹になりそうでとても心配です。」無料相談時のお母さんの言葉です。
子どもの歯並びの問題で一番多いのが、この 「顎の成長不足による歯並び萌出スペース不足」です。
では、この上顎の成長不足の原因は何でしょう?
原因は遺伝でしょうか? いいえ、「低位舌」です。
低位舌とは?
「低位舌」とは、本来の舌の位置より低い位置にある舌のことです。では、そもそも「本来の舌の位置」とは、どこなのでしょう。
私たち人間の舌は、食べ物や飲み物や唾液を飲み込む時、上顎に軽く吸い付いた状態になります。また、食事やお喋りをしていない時も 同じように上顎に軽く吸い付いています。
つまり低位舌とは、舌が上顎に吸い付くことなく下顎に落ちて居たり 上下の歯と歯との間に挟まった状態になっていたりしている状態をいいます。
そして、低位舌の多くは口呼吸であり、口呼吸の人はみんな低位舌です。では、この患者さんの治療前の舌の位置はどこだったでしょうか? 写真①の様に、舌を上下前歯の間に挟む癖がありました。この舌の癖が、この患者さんの凸凹歯並びを作ったのです。 では、どうしてこの舌の癖が凸凹歯並びを作ったのか‥‥その理由を説明いたします。
舌の癖が凸凹歯並びを作る理由
私たちは、一日に1000回以上「飲み込む」という動作をしています。正しい舌の使い方をしていれば、その都度 上顎は舌圧を受けていることになります。 それによって、上顎の正しい成長を促しています。 ちなみに、上顎の歯列アーチが下顎のそれよりも少し大きいこと、ご存じでしょうか?
写真2は、永久歯の模型です。上歯列アーチの方が 下歯列アーチよりも少し大きくなっていますね。
だから、奥歯は 写真3のように 山と谷とで効率的に噛むことができるのです。
写真4は、この患者さんの治療前の状態ですが、上歯列アーチの幅が下よりも小さくなっているのがわかりますか?飲み込む時も、お喋りしている時以外はいつも、舌は上下前歯の間にあり、上顎が舌圧をまったく受けていませんでした。
それにより、 この様な上下顎の大きさのアンバランスを起こし、そして顎のずれの原因にもなっていたのです。
この患者さんの「永久歯が真っ直ぐきれいに並ばない」原因は、舌癖による上下顎(特に上顎)の成長不足です。ですから、治療方針は二つ、
成長不足の顎を本来の大きさに成長させることと
正しい舌の位置・使い方を習得してもらうことです。
当院では、舌・口唇等「口腔周囲筋」の筋肉トレーニング専用ルームを用意して、積極的に行っています。詳しくは小児矯正のページをご覧ください。
治療前と永久歯列期とを比較した写真です。抜歯することなく永久歯がきれいに並びました。噛み合っていなかった前歯(開咬)もしっかり噛み合いました。トレーニングにより身に付けた正しい舌の位置と使い方を続ければ、元の開咬状態になることもありません。
治療前は、いつも口をポカンとあけた「口呼吸」でしたが トレーニングにより鼻呼吸になりました。
30年、矯正治療に携わって強く思うのは、「歯だけ、歯並びだけ、みていては良い矯正治療はできない。」ということです。
小児矯正とは、美しく機能的な永久歯列を作るための準備期間です。この準備がしっかりできていれば自然と美しい永久歯列になってゆきます。
国立の矯正歯科で歯並び矯正治療をお考えの方は無料相談をご利用下さい
国立駅すぐの矯正歯科である国立t歯科では歯並び矯正に関する無料相談・セカンドオピニオンを実施中です。小児矯正治療実績豊富な矯正歯科医が矯正の治療費や期間、装置の選択肢なども含めご相談・ご質問にお答えしますので、ぜひお気軽にご活用ください。