この患者さんは、「横から見た時に、口が飛び出ていないようにしたい。口を無理やりでなくきれいに閉じられるようにしたい。」という審美的改善が主訴で無料相談にいらした方です。 審美的問題以外に歯が噛み合っていない（上写真をみるとわかるように、前歯だけでなく奥歯も良くかみ合っていません）とか、顎関節症（朝起きると顎関節が固まっている感じがする・口を大きく開けようとすると引っかかる感じがあり真っ直ぐ開けることが出来ない。カクカクと音がする）、また「よく眠れない。めまいがある。立ちくらみがある。」という症状は毎日あり、ズキズキとした頭痛は２～３日に一度あるという状態でした。

この方の出っ歯の原因は、歯が生えている顎骨の大きさが小さいことによる（ディスクレパンシー）ものでした。つまり、10人掛けの椅子に12人が座っている状態です。この場合は歯の数を減らして（第二小臼歯の抜歯）、10人掛けの椅子に10人が座る状態にして、審美的・機能的に改善してゆきます。

また、第一小臼歯は、上下の噛み合わせのバランスのために大切な歯ですので、抜歯しなくてはいけない時は、なるべく第二小臼歯を選択しています。

この方の「よく眠れない・めまい・立ちくらみ・頭痛」という症状の原因は様々ですが、噛み合わせの問題により起こることもあります。この方の場合は矯正治療後に改善していますので、これらの症状の原因が噛み合わせの問題であったとも考えられます。